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女性がパイロットになるには

最終更新日 2021年3月22日

女性がパイロットになるには

日本ではエアラインを含めパイロットになる女性は、最近までかなり少数派でした。しかし、大手航空会社でも女性機長が誕生しエアラインパイロットになる女性が徐々に増えてきています。日本において女性がパイロットを目指す場合、男性と条件はほとんど変わりません。当然同じ働き方をすれば待遇も同じです。
これまで日本で女性パイロットの数が少なかったのは、他の職業と同様にキャリア設計に出産・育児等の期間が考慮されておらず、多様な家族の在り方を反映していない男性向けのキャリアパスであったからでしょう。今後働き方が見直されるにつれて、女性でも男性と変わりのないキャリアを築いていける環境が整ってくると思われます。参考(日本でパイロットになるには

女性パイロットの現状

現在、大手航空会社を含めて女性パイロットがすでに複数活躍しており、人数も増えてきています。そして女性機長も誕生しています。エアライン、特に大手航空会社で機長になるためには、副操縦士を10年程度経験してから機長昇格訓練に臨むキャリアパスが一般的です。
しかし現状、このキャリアパスには出産・育児等で一定期間キャリアを中断することが考慮されていません。定期的にある航空身体検査に合格できず、体調が回復するまでしばらく休務する人はいるものの、それはあくまで例外で、そういったことが最初から考慮されているわけではないのです。パイロットは1か月や3か月、半年、1年とある一定期間以上休むと、復帰のためにある一定の訓練が必要になったり、資格の有効期限が切れてしまったりします。航空法でも必要な離着陸回数などが定められています。これは、安全を守るための技量維持に必要なことですが、このために、長期間乗務から離れる事が難しくなっています。
それに加え、特に新卒で同期がまとまって入社する大手航空会社では、副操縦士昇格訓練から機長昇格訓練まで、同期はまとまって同じ時期に訓練を受け昇格していきます。皆で一緒になってずっと訓練できるメリットは大きいのですが、その反面ここから外れてしまうと余計なストレスをかかえることになります。

これは、男は外で仕事、女は家を守るといった性別で役割を分けていた時代のキャリア設計ですが、今は男性でも育児や介護等で職場を一定期間離れることは当たり前です。実際に男性でも資格維持に影響の無い範囲で数ヶ月の間、育児休暇を取得する人が増えています。この問題については今後、多様な価値観が認められ、様々な境遇の人に対して柔軟なキャリアの選択ができるように改善されていく事が望まれますし、世の中の流れとして徐々にそうなっていくでしょう。
男女問わずキャリアの中で一定期間のブランクがあっても、勉強して職場復帰するというのがもっと一般的になれば、個々の事情や多様な価値観に合わせたキャリアの描き方が普及していくでしょう。人生100年時代ですから、途中で大学に行きな直したり、家族とゆっくり過ごす時間を数年とったり、他の仕事をしてもいいわけです。
ただ、パイロットという職業は経験も大切で、副操縦士のときに色々な運航環境を経験して機長になります。キャリアを中断している時間の分、昇格が遅くなってしまうのは仕方がないですが、それも柔軟に個人で選択できるようになってよいと思います。

女性と男性でパイロットになる条件の違いはほぼ無い

では女性と男性でパイロットになるための条件や基準に差はあるのでしょうか。
あるとすれば、航空身体検査の基準くらいです。といっても、妊娠中に乗務できなくなるくらいです。(航空身体検査の受検対策

航空身体検査マニュアルでは、

  1. 身体検査基準
    妊娠により航空業務に支障を来すおそれがないこと。
  2. 不適合状態
    2-1
    正常妊娠でないもの
    2-2
    妊娠の第12週まで及び妊娠第27週以降
    2-3
    航空業務に支障を来す妊娠に伴う合併症(悪阻及び妊娠高血圧症候群等)又は流産若しくは早産の徴候のあるもの

等と書かれており、後はヘモグロビン値の基準が若干異なる程度です。また航空身体検査よりも基準の厳しい航空会社や航空大学校の採用試験の航空身体検査でも差はみられません。

これから女性がパイロットを目指すには

パイロットのスケジュールは残業などはないものの、不規則で国内・海外で宿泊することが多くなります。さらに、前述のとおり、徐々に改善されてきてはいるもののパイロットとしてのひとつのゴールである機長への昇格のキャリアパスは長期のブランクを考慮して作られていません。

乗務のスケジュールに関しては、日帰りの勤務にしてもらったり、月間の休日を多くしてもらうなどの柔軟な対応が可能になっています。また、家族の理解が得られれば、ベビーシッターなどを利用できるだけの収入な確保されていると思います。
パイロットの年収

またキャリアパスに関しても今後、人生100年時代を見据えて多様な働き方が認められていくでしょう。今はその過渡期ですが、女性が増えるにつれ、会社も対応せざるを得ない状況になっていくと思います。男性にしてみても柔軟な働き方は歓迎すべきものです。

女性でもパイロットになることを諦めないで、是非夢を実現させて欲しいと思います。

”女性運動を声高にやる人は嫌いです。男女の別に関係なく、人間は能力で決まる。”
- マーガレット・サッチャー - (英国初の女性首相)

作成者: ふくろう機長

日系大手エアラインパイロット。
航空大学校卒業。
国内線・国際線に乗務し世界を楽しく飛び回っています。
パイロットは小学生からの夢。