パイロットになるのに有利な大学と学科は?

最終更新日 2021年7月18日

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まずは4年制大学へ

私自身は航空大学校を卒業して、エアラインに就職しましたが、日本でエアラインパイロットを目指す方がまず考慮すべきが航空会社各社の自社養成、そしてその次が航空大学校への進学でしょう。(航空大学校受験対策)この二つの選択肢が費用や学費、実績、教育水準を考慮してまず目指すべき進路です。まず自社養成試験への合格をめざし、合格できなければ他の就職活動の状況を考慮しつつ航空大学校の受験を考えてみてはいかがでしょうか。航空大学校であれば、大学卒業後に入学することも可能です。(日本でエアラインパイロットになるには1 
JAL・ANAの自社養成であれば4年制大学または大学院卒業・修了以上が必要ですし、航空大学校への進学も修業年限4年以上の大学に2年以上在学して単位をとっておく必要があります。航空大学校は短期大学又は高等専門学校も可能です。
私立大学のパイロット養成コースは高額な学費がデメリットですが、若くしてエアラインパイロットになれるメリットがあります。(私立大学のパイロット養成コース

大学

パイロットになるには学歴は必要ない、といえます。実際、過去には航空大学校は高校卒業以上の学歴で受験することができました。飛行機は熱意と必要な勉強時間さえあれば誰でも操縦することができますし、実際飛行機の操縦自体はそんなに難しいものではありません。アメリカでは自家用の軽飛行機で隣町のスーパーまで買い物に行く人もいるくらいです。
ところが日本のエアラインでパイロットになるためには、狭き門である採用試験・入学試験に合格する必要があります。そこで必然と優秀な人間に絞られてくるのは想像に難くないと思います。特に有利な勤務条件で飛べる大手エアラインの自社養成、航空大学校から大手エアラインへ就職となると競争の結果としてある程度学歴の高い人が自然に集まってきます。中堅やLCCになるとその競争の第二巡目になるわけですから、もう少し学歴という面では緩和されるのではないでしょうか。
もちろん学歴だけで決まるわけではありませんし、企業も学歴よりも、本当に優秀な人物を採用することが必要です。パイロット適性検査も実施されていますし、身体検査がある以上コネも通用しません。本人の能力が全てですが、学歴は就職の競争では不利に働くことはないでしょう。

出身大学、特に自社養成合格者の出身大学を見渡してみると、東大・京大をはじめとする旧帝大、国公立大、慶応、早稲田、上智などの有名私立大学が多くなっています。
日本の現状における人気企業への就職というのは、大手商社・金融・メーカーなどを例にとっても同じ状況で、学歴は競争を有利に働かせています。
ただし、東大出身でも途中で訓練についていけずに訓練中止となる人が実際にいます。選抜試験に通ったからといってパイロットに向いているか、パイロットになれるかはまた別の問題です。(パイロットと適性

これから日本でパイロットになるには

まず一生懸命勉強していい環境で学べる大学へ進学してください。それが一番の近道だと思います。また、万が一身体検査で条件を満たせないことが分かっても、就職や起業などの人生においてとれる選択肢も広がることでしょう。もし大学生であれば2年修了した時点から航空大学校の受験を目指してください。

ただし、現在有名大学に通っていないからといってパイロットになることを諦める必要は全くありません。採用担当からみても、学歴だけの人よりもパイロットになるために熱意をもって努力を続けてきた人に飛行機の運航を任せたいと思うでしょう。熱意を持ち続けて努力する事は誰にでもできる簡単な事ではありません。スポーツや音楽などに一生懸命打ち込んだ学生生活を過ごしてプロになるかどうか悩んでいたようなレベルの人で、パイロットになる選択をした人もいます。何かをやろうと思う人が100人いれば、実際に行動するのはその中の10人、そしてそれを続けられる人は1人と言われています。日々の生活をどう過ごすかを変えればきっと、採用試験の時には他の人と大きな差がついていいるはずです。(就職試験に向けての心構え

最大の難関は航空身体検査

パイロットの採用試験の最大の難関は何といっても航空身体検査です。(航空身体検査の受験対策)これに合格しない限りいくら学歴が優れていても優秀で人物も素晴らしくてもエアラインパイロットにはなれません。特に日本の航空身体検査は海外に比べて基準が厳しく、更に採用試験では定年まで厳しい勤務に耐えられるだけの人材を採用するためそれよりも一段と厳しい基準で採用試験を実施しています。

ただし、第一種航空身体検査自体がそこまで厳しいわけではありません。まずは近くの航空身体検査を実施しているクリニックで受診してみて合格できそうであれば、仮に大手エアラインに合格できなくてもエアラインパイロットになる道はたくさんあります。

パイロットは日本でも世界でも不足している

今後、日本を含むアジアを中心にパイロットが相当数不足すると言われており、国としても定年を68歳に引き上げるなど対策を講じていますが、根本的な解決には若い人がパイロットになっていくことが不可欠です。
少し古い資料ですが、2013年に国土交通省 航空局から発表された分析では2030年頃に大量退職者が発生することに伴い、アジア/太平洋地域で年間約9000人のパイロットが不足すると予測されています。(我が国における乗員等に係る現状・課題
パイロットのライセンスは、定期運送用操縦士、事業用操縦士といった国家資格ですので、取得していれば就職のチャンスは無限大です。自社養成や航空大学校に合格しなくてもチャンスは残されていますので、健康に気を付けながら初志貫徹で頑張ってください。

次回は学部についても考えていきます

‟目標を達成するには、全力で取り組む以外に方法はない。そこに近道はない。”
- マイケル・ジョーダン -(米国の元バスケットボール選手)