最終更新日 2021年2月3日

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SHELLモデル概要

航空業界に古くからある安全の考え方の一つに、KLMオランダ航空フランク・H・ホーキンズ機長が提唱したSHELLモデルというものがあります。

SHELLのそれぞれのS・H・E・L・Lは以下の事を表しています。

  • S: Software – ソフトウェア。法律やルール、規制、マニュアルや手順書
  • H: Hardware – ハードウェア。機器や機材、設備や機械の構造や設計、システム
  • E: Environment – 環境。人・ハードウェア・ソフトウェアのおかれた状況 、社会的・経済的環境、自然環境
  • L: Liveware – 人。 人と周囲の人。真ん中のLは当事者、下のLはその環境で当事者が接する様々な人々の事。

それぞれのブロックは直線で構成されていません。これは、全体を最適にするにはそれぞれをお互いに上手く適合させなければいけないことを表現しています。

Liveware

人。このモデルの中心となっている構成要素で、最も柔軟な対応ができるものです。しかし、人は一番予想しない事を引きおこしやすく、疲労・空腹・気持ちや気温変化・騒音・多忙などの内的・外的ストレスによってパフォーマンスに差が出てきます。

人はミスしたり失敗したりする生き物で、それを前提にシステムを構成すべきですが、だからと言って人を完全に排除してシステムに置き換える方法は、最も効果的な解決策とは言えないでしょう。

Liveware-Liveware

当事者と周囲の人のの関わりあい。リーダーシップやチームワーク、マネジメントなどの人物間の関わり合い。

Liveware-Software

ソフトウェアや法律、ルールの作り方。
安全を達成するために、覚えやすく分かりやすく、実際に守ることのできるルールや法律を作ること。人が簡単に使えるシステムを用いる。難しい用語や操作方法を排除するといった事が大切になります。

Liveware-hardware

人が使いやすい機械を導入する。人間工学に基づいて、長時間座っていても疲れにくいイスを使ったり、人の動きに合わせた動きをする機械の使用。間違えにくいように、操作ボタンの形状や色を工夫する、などが大切です。

Liveware – Environment

人がおかれた環境。高温・低温・騒音などの過酷な環境を避け、人が快適に作業できる環境を作る。また、社会的な環境という意味では、社会や職場の雰囲気も大切になってくるでしょう。

”どうして自分を責めるんですか? 他人がちゃんと必要な時に責めてくれるんだからいいじゃないですか。”
- アインシュタイン - (理論物理学者、ノーベル物理学賞受賞)