最終更新日 2021年1月30日

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求められる人物像

旅客機のパイロットに求められる人物像とはどのようなものでしょうか。私もパイロットを目指して頑張っていた時、自分には適性があるのか悩んでいました。周りにパイロットの知り合いもおらず、実際に旅客機を飛ばしている人たちはどんな人達なんだろうと思っていました。
パイロットに求められる人物像といっても実際に飛ばしている個人個人は個性豊かで人それぞれです。皆がスーパーマンのような能力を持っているわけではありません。パイロットに向いている人物像は、絶対というものはありませんが実際に私の周りの同期や先輩方・後輩達を観察したり、また自身でもパイロットになる訓練を受けてきて、共通している部分があると思います。その特徴を持った人たちが自然と選別されてきたのかもしれません。その一部をご紹介したいと思います。

協調性

一人乗りの飛行機とは違い、旅客機のパイロットはチームでフライトを作り上げていきます。操縦室には機長と副操縦士、客室には客室乗務員がいます。地上では整備士やグランドハンドリングスタッフ、旅客係員、運航管理者を始めたくさんの関係部署との調整でフライトが成り立っています。
そのチームをまとめあげ、チームのメンバーが最大のパフォーマンスを発揮できるようにマネジメントをするのが機長の大切な役割です。
一人で決めて、後はそれに従うように命令していくタイプのマネジメントは現代の旅客機のパイロットには求められていません。

さらに、パイロットの仕事は仲間との出世レースのような競争はありません。誰か上手くいったら他の人は落とされる椅子取りゲームの世界ではなく、必要なレベルに達すれば皆が合格できる世界です。訓練は、どんなに優秀な人でも決して一人では乗り切れる訓練量ではないので、仲間と協力して勉強していくことが不可欠です。自分が助けることもあれば、助けてもらうこともあります。協調性はとても大切な適性です。

責任感

旅客機のパイロットは、何百人の人命と財産を預かって空を飛びます。任せてもらったフライトを適当に済ますことは許されません。旅客機は事故が起これば甚大な被害は避けられません。航空会社も大きく信頼を失うでしょう。その人に飛行機を預けてフライトを託せるかどうか。責任感については言うまでもないでしょう。

次回はその他の適性や、操縦適性についても書いてみたいと思います。

”成功の秘訣は、いかなる職業にあっても、その第一人者たることを期することである。”
- アンドリュー・カーネギー - (アメリカの実業家、鉄鋼王)