航空無線通信士

最終更新日 2021年1月30日

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エアラインパイロットになるには必須の資格

飛行機の無線を使って管制機関などと交信する場合に必要な資格です。
航空無線通信士の操作の範囲は電波法により、下記のように定められています。
一 航空機に施設する無線設備並びに航空局、航空地球局及び航空機のための無線航行局の無線設備の通信操作(モールス符号による通信操作を除く。)
二 次に掲げる無線設備の外部の調整部分の技術操作
イ 航空機に施設する無線設備
ロ 航空局、航空地球局及び航空機のための無線航行局の無線設備で空中線電力二百五十ワット以下のもの
ハ 航空局及び航空機のための無線航行局のレーダーでロに掲げるもの以外のもの

この資格は実機訓練の時から使用しますので、航空大学校入学、または自社養成の場合には訓練開始までに取得しておきましょう。実際に訓練が始まってからでは、訓練が忙しくて無線資格の勉強に時間を割くのは大変ですし、もったいないです。また、無線資格が無ければ飛行訓練ができませんので、最悪の場合には訓練中止となるでしょう。

試験科目

無線工学・法規・英語・電気通信術
の4科目となっています。

取得方法

免許の取得には主に二通りの方法があります。
1. 年に二回実施されている国家試験に合格する。
2. 講習会に参加して修了試験に合格する。

講習会は20万円以上かかりますし、開催場所も関東に限られます。
国家試験はそこまで難易度は高くなく独学でも十分何とかなりますので安心してください。
パイロットとして生きていくならこの先もたくさん試験が待ち構えていますので、このくらいは自力で何とかする方が良いと思います。
独学の場合は、参考書(法規・無線工学・英語)と過去問を勉強しましょう。

電気通信術というのは、phonetic code、phonetic alphabet等と呼ばれるもので、
A: Alpha
B: Bravo
C: Charlie
とうようにアルファベットを一文字ずつ発話して、無線通信で間違えなく聞き取れるようにする方法です。映画などでもよく出てきますから聞き覚えのある方もいるかと思います。試験の時は音声で流れてくるアルファベットを聞いそれをphonetic codeに書き換えるというものです。
フライトの時もこのphonetic codeは頻繁に使用されますので、慣れておきましょう。日常で見かける英単語をphonetic codeにして言ってみたりして練習してみてください。すぐに慣れてくると思います。
LiveATCというサイトもおススメです。無料で実際に行われている世界中の管制通信を聞くことができます。

参考書と問題集の独学で十分

航空無線通信士の取得に際しては、独学で十分対応可能です。一通り参考書に目を通した後、問題集を解きながら理解の足りていなかった部分を、再度参考書を読んで補強していきます。
私の場合、航空大学校に合格した後、約3か月ほど時間をとって勉強し、一発で無事合格することができました。

無線工学は理系の科目を勉強したことがない人には難しく感じるかもしれませんが、問題集と参考書を往復すればどんなところがポイントになっているかつかめると思うので心配ありません。

定番は下記の参考書です。

”学問の上で大いに忌むべきは、したり止めたりである。したり止めたりであれば、ついに成就することはない。”
- 吉田松陰 - (幕末の長州藩士)