最終更新日 2021年1月30日

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第1種航空身体検査証明書

定期運送用操縦士、事業用操縦士、准定期運送用操縦士として航空機に乗り組んで業務を行うための身体検査証明書で、いわゆるお金をもらってプロのパイロットとして乗務するために必要な身体検査証明書です。
エアラインのパイロットの場合、たいていは二人乗りの旅客機に乗務しますので「航空運送事業の用に供する航空機に乗り組んでその操縦を行う場合」に該当し、60歳未満で1年に一度、60歳以上で6か月に一度更新があります。
その他に、第2種航空身体検査証明書という種類もあり、自家用操縦士としてプライベートで飛行機を操縦するため等に必要なライセンスもあります。

インターネットで「航空身体検査マニュアル」と検索すると航空医学研究センターが公表している航空身体検査の基準を見ることができます。例えば、視力に不安がある人なら事前に自分でも視力の基準がどの程度か調べることができます。勉強したいけど、しすぎて視力が落ちたらどうしようと悩んだりするわけですが、基準を知っておくと無駄に不安になることもないでしょう。

入社・入学のための身体検査

第一種航空身体検査証明書の取得よりもさらに厳しいのが、航空会社への入社や航空大学校への入学時に課される身体検査です。基準は第一種航空身体検査に通過できること、となっていますが実際の基準は未公開なもののそれよりも厳しいのは明らかで、時差や深夜勤務などを含む日ごろの乗務をこなしながらも60歳まで(最近では60歳を超えて)身体検査証明書を維持できる身体が必要とされているからでしょう。航空会社としても、入社の時点で基準をギリギリでしか満たしていないと、途中で乗務できなくなってしまう心配があるわけです。ちなみに、周りを見ていると大手航空の方がより厳しい基準を持っているようです。ですので、ANAやJALに採用されなかった人でもエアラインパイロットの道を諦める必要はありません。

定期身体検査

冒頭でも紹介した通り、パイロットとして飛び続けるためには航空法で定められた通り一定期間で航空身体検査証明書を更新する必要があります。いくら技能や知識、人格が優れていても身体検査をパスしなければ飛べないのが、この仕事の難しいところです。どんなに仕事が忙しくても健康管理をおろそかにしてしまうと飛べなくなってしまうのです。
またご存じの方もいるかもしれませんが、パイロットは乗務するにあたって薬の使用も厳しく制限されています。風邪をひいたからと言って、風邪薬を飲んでフライトに向かうわけにはいかないのです。他にも乗務前のアルコール摂取制限やダイビングの制限など、大勢の人命を預かって旅客機を安全に運航するための制限がたくさんあります。
これが定年まで続きますので、日頃から強い気持ちをもって自己管理にあたる事が大切です。

”私は決して障害に屈しはしない。いかなる障害も、私の中に強い決意を生み出すまでだ。”
- レオナルド・ダ・ヴィンチ - (イタリアのルネサンス期を代表する芸術家)