最終更新日 2021年1月30日

前回は夜の空港を彩る灯火の種類や意味についてご紹介しました。それぞれのライトの意味が分かると見ていて面白いものです。飛行機の窓側に座ってパイロットの気分になってみてください。
今回は空港の標識・サインについてご紹介します。

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誘導路の標識

空港のゲートから出発してまず見えてくるのが、滑走路と駐機場をつなぐ誘導路(Taxiway)です。誘導路の中心には黄色の一本線で誘導路中心線標識が、誘導路の端には誘導路縁標識が黄色の二本線が設置されています。ちなみに幅は0.15mと決まっています。

滑走路に近づくと、滑走路に間違って侵入しないように停止位置標識があります。黄色の四重線で表示されており、滑走路に近い方の2つは破線です。国際線の就航するような大空港では精密な進入ができるようになっている事が通常ですから、離陸の順番を待つ飛行機は、滑走路の中心から75m以上の位置で待機するようになっています。

滑走路の標識

滑走路の数字の意味は、その滑走路の向いている方角です。正確には進入方向から見た滑走路の磁方位を示しています。この画像の場合27なので、270°方向(西)に向いているということです。

滑走路の一番手前は滑走路末端標識といって、数字の手前に設置されています。滑走路の幅によって本数が変わり、幅45mの滑走路では12本です。例えば、羽田空港の4本の滑走路は全て幅60mですので、16本の滑走路末端標識がかかれています。大阪伊丹空港の長い方の滑走路は幅60m、短い方は45mです。

滑走路の中心線の両脇にある白い四角いマーキングは、目標点標識(Aiming point marking)といって、着陸の際に飛行機を接地させるターゲットにするための標識です。

滑走路のマーキングの色が通常白色ですが、降雪地帯では積雪時の視認性を上げるために黄色のマーキングが施されています。日本ですと、新千歳空港や仙台空港などの滑走路は黄色で表示されています。

滑走路の標識はICAO(国際民間航空機関)とFAA(アメリカ連邦航空局)では若干基準が異なる点もありますが、基本的には世界のどの空港に行っても混乱する事の無いように統一されています。
代表的なものをご紹介しましたが、他にもたくさんあります。興味のある方は調べてみると、飛行機に乗った時に窓からの景色がより面白くなるのではないでしょうか。

”人間いくつになっても新たな道へ踏み出す時が来る。それまでの苦労や人生体験はその時ための基本教育。” 
- 美輪明宏 - (日本のシンガーソングライター、俳優、演出家)